条件付き採用教員とは?期限付き採用教員とは?~東京都教員採用試験

合否題名

採用試験を受けて不合格になると、ショックは大きいですよね。1次試験で落ちたなら、まだあきらめもつきますが、2次試験で落ちたときは、なかなか立ち直れません。合否の結果が来るのが10月。一機に来年どうするかといった不安がそこから始まります。でも、反対に合格したからと言って喜んでばかりはいられません。そんな採用試験合否後のそれぞれの道をお伝えします。

1.合格の道

①公立の採用試験「合格=即採用」ではない!

採用試験に受かると、正規採用教員として登録されます。しかしこれはあくまでも採用試験に合格しただけであって、正規採用合格の名簿に載ります😲というものです。来年の3月31日までにどこからの学校や教育委員会から連絡があれば採用になりますが、連絡がなければ、また採用試験を受ける形になります😨。(その際1次試験が免除されたり、個人面接だけだったりと試験は一般より優遇されています)

早い人では、1月くらいから、遅い人では3月31日ギリギリに電話がかかってくることがあります。それは児童生徒の人数の変動によって、採用する人数が決まるからです。正規採用で働いている教職員の異動・退職関係が確定しすることで、新規採用教員の人数が決まってきます。そして、採用する学校がどんな人がほしいかをピックアップして、ヒットした人に電話をし、面接を経て採用になります。


②正規採用1年目は、条件付き採用教員!

勤務校が決まってやれやれ一安心!と思ったあなた。まだまだ油断してはいけません。
なぜなら、採用1年目は、正規採用ではなく、条件付き採用だからです😖。

条件付き採用とは

条件付き採用とは、企業でいう試用期間のことで、採用から1年間、新採用教員は、法律で定める事由によらなくとも、任命権者はその職員の降任または免職を行うことができる期間という意味です。

 ちなみに、公立小中高の教員の場合、この条件付き採用は、次の法律で決まっています。

★教育公務員特例法第12条★
公立の小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、幼稚園及び幼保連携型認定こども園の教諭、助教諭、保育教諭、助保育教諭及び講師に係る地方公務員法第二十二条第一項 に規定する採用については、同項 中「六月」とあるのは「一年」として同項 の規定を適用する。

 ここには、普通の地方公務員は6か月、教員は1年が試用期間といことが書かれています。この期間に教員としての資質が認められなければ、クビになる可能性があるのです。

でも心配はいりません。

先生と生徒

・初任者研修をまじめにこなす。

・勤めている学校での決まりを守る。

・児童生徒、保護者に対して誠意をもって接する。

・体罰禁止

と言ったように、当たり前のことをすれば、普通はすんなり採用です。

たとえ学級をうまくこなせなくても大丈夫。そのために指導教諭がついていますし、1年目からうまくいく教員はいません。また、病気になったり家庭の都合で休むことになったりしても、休暇を遠慮なくとることが可能です。管理職の顔色をうかがう必要はありません。管理職もそんなことで、むやみにクビにはしません。(管理職は自分の学校でクビを出したら、自分の職歴に傷がつきますからね😁)

ちなみに令和3年度、東京都の条件付き採用教員は

任用状況
条件付き採用教員の任用状況

表からも分かるようにわずか4.2%。採用にならなかった人は、自己都合や自主退職がほとんどです。

詳しく見たい人は下の参考をクリック👆

<参考:令和3年度条件付採用教員の任用状況について >

仕事をするうちに、自分は教員に向いているかどうか、学校という社会でやっていけるかなどわかってきます。せっかく採用試験に受かったのにもったいないですが、考えようによっては、早いうちに見切りをつけ、気持ちを切り替えて次の転職先をさがすことができますよね。(若ければ若いほど、転職に有利です👍)いろんな職を経験したあとで、また教員採用試験に挑戦することだって可能です。(今は都道府県によっては、59歳まで試験に挑戦できますよ😊)


2.不合格の道

公立の教員採用試験に不合格になると

・教員を諦めて別の職をさがす

・臨時採用教員として採用されるのを待つ

・私立の学校を受ける

・来年度の試験に向けて無職で勉学に励む

の選択に迫られます。

公立の教員をどうしてもやってみたい人は、臨時採用教員として採用されるのを待つことになります。東京都は2次試験で落ちた受験者に対して、「期限付き採用教員」という制度があります。

これは一体どういうものなのでしょうか。

期限付き採用教員とは…

教員採用試験を受け2次試験不合格者の中で成績が上位で、期限付任用教員採用候補者の基準に達したと判断されるものの中で、受験申込時に期限付任用教員採用候補者となることを希望した者については、期限付任用教員採用候補者として名簿に登載されるというものです。

簡単にいうと受験の時に、もしも正規に採用されなかったときは、この「期限付き・・・」に登録しますか?と聞かれ(アンケート)、「登録する」と答えた人の中で、正規採用されなかった人がこの扱いとなり、年度途中で教員の病気休職や退学、学級増など、教員に欠員が生じた時に臨時的任用教員として勤務します。

私的に言えば、この制度はとても残酷な制度です。なぜかというと…

まず家に郵送で、「期限付き任用教員として合格しました」という感じの書類が届きます。

その書類をよくよく読んでみると、「これはあくまでも正規採用の合格じゃないよ。あなたは不合格だったけど、期限付き採用教員としては合格し、その名簿に登載されたよ」と言う感じの言葉が丁寧に書かれています。

一瞬「何これ?補欠合格?」みたいな感じにとれます。でも扱いは不合格。あくまでも臨時採用教員です😠。

当然のごとく、都道府県で人事異動・退職数が決まり、その後新規採用教員数が決まった後に欠員が生じると臨時採用教員が採用されます。従って、採用されるかどうかの順番は一番最後。3月までひたすら電話を待つ状況が続きます。

溜息女性

なので、連絡を待つ間は、携帯電話を見てばかり。そして電話の着信があるたびにドキドキする…といった恐怖があります。また、まともに就職することもできず、アルバイトやパートなどをして生計を立てる人、3月まで何もせずに連絡をひたすら待つといった過酷な状態が続くのです。あくまで採用候補者なので、欠員の状況などによっては任用の時期が遅くなったり、また採用されないこともあります。これがとてもつらいのです。😱。

ここまで読んで、期限付き採用教員のメリットってないの?と思われたあなた。実はあります。



②期限付き採用教員と臨時採用教員の違い

期限付き採用教員は、臨時採用教員ではありますが、一般の臨時採用教員とは少し違い優遇されています。具体的には下記の表をご覧ください。


  期限付き採用(任用)教員          臨時採用教員
教員のなり方

受験申込時に期限付き任用教員採用候補者となることを希望した人

採用試験を受け、2次試験で不合格になった人

期限付き採用教員に合格し、名簿に載った人

(東京都の場合)臨時的任用教職員名簿登載選考に合格し、採用候補者名簿に登載された人。名簿登載期間は原則として合格した日から3年程度。

合格しないと臨時採用教員になれないとは言ってはいますが、教員不足の昨今、基準はとても甘いようです。またこの名簿に登載されてなくても、学校から直接話がくることもあります。

採用条件

年度途中の教員の病気休職や退職、学級増など、教員の欠員が生じた場合に、期限付任用教員採用候補者名簿に登載されている方(名簿登載者)の中から、区市町村教育委員会又は都立学校との面談を経た上で採用(任用)されます。

産前産後休業や育児休業中などの教員の代替として採用されます。教育委員会または学校長から連絡来て、面談を経て採用されます。

 

任用期間

最長で1年間です。ただし、任用は6か月を超えない期間で更新をします。
年度を超えたり、年度をまたがっての任用はありません。

産休育休代替教職員の任用期間は、産休育休を取得する教職員の妊娠出産休暇(原則、出産前後16週以内)及び育児休業(養育する子が満3歳に達する日まで)の期間内となります。ただし、
代替教職員の任用は年度ごとに決定されるため、最長1年を超えない範囲での任用となります。
 当該教職員の産休育休の期間が当初の予定より短くなった場合は、任用由が消滅します。

職務内容

正規教員と同様の職務内容です。授業を行うだけでなく、学級担任や校務分掌も担当します。

初任者が受ける教育委員会が主催する研修を受けます。そのため、決められた回数の研究授業もやらなくてはなりません。

正規教員と同様の職務内容です。授業を行うだけでなく、学級担任や校務分掌も担当します。

教育委員会が主催する初任者研修には参加しません。

採用試験

来年度の採用試験は、特別枠で受験できます。
一般の採用試験日ではなく、それより早く行われ、面接のみです。

来年度の採用試験は、経験年数によって、臨時採用枠で受験が可能です。経験年数が少ない人は、一般で受けることになります。(年数は毎年採用試験要綱で確認が必要です。)

採用試験合否

合格…そのまま勤務している学校に新規に採用されます。まれに他の学校に移ることがあります。

 

不合格…再び期限付き採用教員になるか、臨時採用教員として登録します。学校長の裁量で同じ学校に臨時採用教員として残ることもありますが、身分は一般の臨時採用教員と同じです。

合格…東京都の合格名簿に記載され、空きが出次第、教育委員会か学校長から連絡があります。面接を受けてから採用になります。連絡がない場合は、また採用試験を受けることになりますが、試験は一般とは異なり、特別枠での受験ができます。

不合格…自分が働いている任期が終わると、また新たに臨時採用教員として登録し、勤務場所から連絡がきます。同じ学校で引き続き勤務できることはありますが、また1から採用条件は始まります。

 

表でもお分かりのように、

期限付き採用教員と一般の臨時採用教員はなり方が違います。いくら採用試験を受けていても1次に通らなければ、期限付き採用教員になることはできないのです。また、期限付き採用教員は、採用の話がくれば、その年度の3月31日まで(約1年間)仕事があります。臨時採用教員はあくまでも産休や育休、病休等の代替なので、その期間が終われば、3月を待たずとも勤務が終了です。(中途半端な日数で勤務することがあります。)

面接

また次の年に採用試験を受けることになりますが、期限付き採用教員は採用試験がぐっと楽になります。面接だけです。しかもよっぽどのことがない限り、来年度は正規採用教員として合格します。ただ残念なことに、不合格の場合もあります。ここだけの話、私的には、勤めた学校の校長に力があるかないかで、微妙に採用・不採用が決まってくる気がしています。また、採用試験に積極的な学校では、管理職が面接の練習をしてくれます。

臨時採用教員として採用試験を受ける場合には、一般の受験か経験者特別枠で受けることになります。特別枠で受けると、一般教養が免除されます。試験科目が1つ少ないだけでもありがたいですね。

期限付き採用教員は、正規採用教員の初任者と一緒に教育員会が主催する研修に参加します。また、3回の研究授業が義務づけられています。来年度正式採用された場合、また1から研修を受けなおすことになるので、研究授業などは、正規採用された人より3回多くなります。免除になりません。これは結構負担になるんですよね😰

一方臨時採用教員は、その学校が始めての勤務でも、教育委員会が主催する初任者研修に参加することはありません。学校単独の研修や教員全体に提供される研修は受けることができます。

※期限付き採用教員について詳しく知りたい方は、下記のホームページを参照ください👇。

東京都公立学校臨時的任用教員・時間講師の募集について【令和7年度採用名簿登載選考】|東京都教育委員会ホームページ
東京都教育委員会のホームページ。事業内容、入試、都立学校、教職員採用、教員免許、生涯学習などの情報をお伝えします。

 

 


3.まとめ

・合格/不合格それぞれの道

教員採用試験に合格しても…

・学校に必ず採用されるわけではない。合格者名簿にのるだけ。
・採用されても1年目は条件付き採用教員となり、不適合の場合には辞めさせられる場合がある。

教員採用試験に不合格になると……

・期限付き採用教員、1次が受かり2次が落ちたからと言って、自動的になるものではない。自分が名簿に載ることを希望しなければ、なることはできない。
・あくまでも不合格であり、補欠合格ではない。連絡がくれば、学校の臨時採用教員として採用される。
・期限付き採用教員は臨時採用教員だが、来年度の採用試験では、産休や育休代替の臨時採用教員と試験枠が違い、試験は面接のみ。ほぼ合格し正規採用になる確率が高い。

ということで、せっかく期限付き採用教員として登録されたにもかかわらず連絡が来ないとつらいですが、正規採用教員の道が近いのであれば、

期限付き採用教員として登録されたら、ひとまず3月まで連絡が来るのを待ってみよう。

指さす女性





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