はじめに
特別支援学校の教員は、初めは特別支援学校教員の免許がなくてもなることができます。しかし、昔は働きながらゆっくりと免許を取ることができましたが、今では働きだしたら2年をめどに免許を取とるように指導されています。
免許うんぬん言う前に!
・大体自分は特別支援に向いてるの?
・興味はあるけど、やってみる勇気がない
・特別支援学校ってよくわからない
と思ったことはありませんか。
そんな方のために臨時採用教員の目線でチェックリストを作ってみました。ちょっと試してみませんか。
向いてる?向いてない?チェック開始!
子供に関する質問
★質問の横のポイントを足してみましょう。10問あります!
1.子供が好きですか?
すき③ いいえ⓪
2.障害をもつ子供と接することに抵抗はありませんか
ある① ない②
3.言葉を話せない子供と一緒にいても大丈夫?
大丈夫② ダメ①
4.子供の尿や便などの排せつの始末に抵抗がある
ある① ない②
5.おむつの交換ができる
できる② できない①
6.よだれを垂らす子に抵抗がありますか
大丈夫② 抵抗がある①
7.子供と食事をとることが好きですか
すき② きらい①
8.子供に食べさせてあげることはできますか
できる② できない①
9.子供に服を着させることはできますか
できる② できない①
10.体力に自信はありますか
ある③ ない① 全くない⓪
~~~結果発表~~~
「23~20」:特別支援学校の教員としてとても向いています。
子供の扱いにとても慣れている人といえます。子供と先生の関係良好でしょう。次へトライ!
ちなみに1.の③ポイント 10.の③ポイントをゲットした方は特別支援学校の教員にトライしてみる価値大ありです!
「19~12」:特別支援学校の教員として経験する価値有り!
自分に子供がいたら、おむつだのよだれだの始末は抵抗なくできると思います。でも小さい子供に接する機会が今までなかった人だと、初めは排せつやよだれの始末など抵抗があるのは当たり前です。安心して次へトライ!
★下記では、子供たちの様子をさらに詳しくお伝えしています。
教員とのコミュニケーションについての質問
★質問の横のポイントを足してみましょう。5問あります!
1.他の教員の意見を受け入れることはできますか
おおむねできる② 絶対できない①
2.自分の意見を言うことができますか
時と場合に応じてできる② できない①
3.ペアを組んだ教員とうまくやっていく自信はありますか
ある② なんとかできる① むり⓪
4.自分の判断で行動することはできますか
できる② 人に指示されないとできない①
5.他の教員が残っていても定時に帰ることはできますか
理由があればできる② 絶対できない①
~~~結果発表~~~
「10」:特別支援学校の先生だけでなく、先生の職業に向いている人です。
自分の主張をしっかりできるうえ、人の意見にも耳を傾けることができる人です。またコミュニケーションもうまくとれるので、仕事をする上でとてもプラスになります。ただ、あまり自分を主張しすぎるとかえってコミュニケーションがとりにくくなることもあるので、相手の表情や感情を読み取りを伺いながら自分をアピールしましょう。
「7~9」:自分に自信をもち前向きに取り組める人です。
人と付き合うときに、相手の様子をみてから自分の考えを述べられる人です。その人の性格を知り合わせることができるので、職場でもうまくいくケースが多いです。
「5~6」:不安はあるけれど、職場に何とか合わせようと努力ができる人です。
この人には言ってもいいかな‥この人には言えない‥と自分の気持ちを人を見て決めてしまうことが多いようです。しかしそれは誰にでもあり、そういう気持ちを持つ人は職場ではうまくできます。
「4」:学校の先生として頑張れば頑張るほど心が疲れてしまうかもしれません。
意見が違うなと思っても、自分は臨時採用教員だし、相手は正規職員だから言いずらいな‥と遠慮して我慢することも多そうです。一人で頑張ろうとすると嫌なことばかりで、気持ちがふさぎがち。話せる人を見つけましょう。そして誰とペアになるかは運次第。自分と合う人と組めるかもしれません。トライする価値はあります。
「⓪」があった方:特別支援学校はやめた方が無難です。
特別支援学校では、クラスをペアで組むことが多いです。自分と意見が合う人もいればそうでない人もいます。臨時採用教員はペアになることがほとんどなので、もし組むことに抵抗があるならば、辞めておいたほうが無難です。
★ちょっと覗いてみませんか↓
★自分の得意やスキルを登録してみまえんか↓
授業についての質問
★質問の横のポイントを足してみましょう。5問あります!
1.学習指導書がなくても指導ができますか
できる② 自信がない①
2.歌を歌ったり楽器を演奏することは好きですか
すき② 苦手①
3.体を動かすことは好きですか
すき② 嫌い①
4.本を読むことは好きですか
すき② 嫌い①
5.自分で考えて教材を作ることができますか
できる② できない①
~~~結果発表~~~
「10」:特別支援学校の先生をぜひしてみましょう!
特別支援学校は、一応教科書はありますが、ほとんど使用しません。そのため、自分が授業を考え教材を作らなければなりません。また歌を歌ったり身体を動かしたりする時間がとても多くあります。そういうことが好きな方は特別支援学校の先生にぴったりです。
「6~9」:特別支援学校の先生としてトライしてみる価値有り!
得意な分野を生かして指導ができる人です。できないことも慣れてきたら案外できるかもしれません。せっかく得意分野があるのなら、試してみませんか。
「5」:一か八かやってみる価値有り!
誰でも得意・不得意があります。最初は誰もが初心者。できないことばかりです。特別支援学校で働いてみて、やれそうなら続けてみればよし、ダメだったら辞めればよいのです。
特別支援学校についての質問
★質問の横のポイントを足してみましょう。5問あります!
1.特別支援学校はどんな学校か分かりますか
大体分かる② 分からない①
2.特別支援学級と特別支援学校の違いを知っていますか
知っている② 知らない①
3.特別支援学校には5領域の障害をもつ子供がいることを知っていますか
知っている② 知らない①
4.特別支援学校にも臨時採用教員がいることを知っていましたか
知っている② 知らない①
5.特別支援学校の免許が無くても働けることを知っていましたか
知っている② 知らない①
~~~結果発表~~~
「10点」:特別支援学校に興味をもたれて、調べたり勉強したりしている様子がうかがえます。ぜひ特別支援学校にトライしてみてください。
「6点~9点」:なんとなく特別支援学校のことをご存じのようです。ちょっと興味はあるけど、自分には向いていないかも…と不安をもたれているのではないでしょうか。自分もそうでした。これを読めば少し自信がもてるようになります!
「5点」:特別支援教育に今までは関心がなかったようですね。でも質問を受けるということは、少しでも関心をもたれているのではないでしょうか。ちょっと読んでみませんか。
特別支援学校での正規採用と臨時採用扱いの違い
ここまで読んでくれた皆さん、ありがとうございます!ここからは、ちょっと具体的に特別支援学校について述べていきます。上記の質問で関心をもたれたかたは、ぜひ続けてご覧ください。
特別支援学校の教員として勤めるにあたり、正規採用教員と臨時採用教員と扱いの違いがあります。その違いについてまとめました。
正規採用教員 | 臨時採用教員 | ||
配属 | 特支免許無 | ・自分の主たる免許状の学部に配属 |
・自分の主たる免許状の学部に配属。 ・臨時採用ということで、臨時免許状を使って、免許がない学部に配属されることもあり |
特支免許有 | ・主たる免許があっても違う学部に配属になることがあり | ||
クラス | 担任 | ・一人担任やペアの担任がある ・ペアのクラスとき副担になることもあり |
・基本的に担任なし。 ・基本的にペアのクラスで副担任 |
|
担当 |
・学年での授業や、クラスの授業を主担当(リーダー)として受け持つものがあり |
|
異動 | 有 |
・6年をめどに異動 |
・常に空きがある学校に異動 ・今勤めている学校に空があれば、そのまま継続あり ・特支の免許が無い場合、最初に勤めた学校と同じ領域の学校に異動することが多い |
表からもお分かりのように、
臨時採用教員は特支の免許があってもなくても、配属先は自分の主たる免許でない学部に配属されることがあります。例えば自分が小学校の免許なのに、高等部に配属といったようにです。(臨時免許状が発行されます)そのような場合は、講師を学校が急いで探している時だと思ってください。
クラスは担任になることはなく、副担任としてクラスに入ります。常にペアのクラスなので、主担任の教員とうまくやる必要があります。
いくら副担任だからと言って、授業はもちます。自分がリーダーとなって行う授業もうけもつので、内容を考えたり教材を作ったりしなければなりません。かといって、いきなりしなさい!とは言われませんので、やり方を教えてもらい慣れてきてから受け持つことが普通です。
異動では、正規採用教員が6年をめどに異動ですが、臨時採用教員はその学校でうまくいけばずっと臨時採用教員として働くことができます。そのためには、
真面目に勤務
学習意欲に前向き
子供たちや保護者とのコミュニケーション
教職員との関係性
をボチボチ頑張りましょう。なぜなら
特別支援学校の臨時採用教員は、学校間の人伝手で決まることが多いからです。つまり教員と仲良くしておけば、次も同じ先生を!と副校長や校長に訴えてくれ、すぐに決まることが多いのです。
昨今、臨時採用教員を探すのは結構大変なので、学校側としても一度働いてもらえた人がちゃんとできれば、その人をもう一度採用するほうが楽なのです。簡単に言えば、卒なく勤務できれば次も同じ学校に空きがあれば再雇用される可能性が大です。あちこち違う学校に採用されるよりは、そのほうが気持ち的にも安定しますよね。
知的教育部門の子供たち
特別支援学校は、視覚障害・聴覚障害・肢体不自由・病弱・知的障害とありますが、その中でも知的障害をもつ子供たちがとても多いです。そこで知的障害をもつ子供たちの主な特徴をあげていきます。こんな感じの子供たちなのか‥と参考になればと思います。またQのところで自分ができるかできないか考えてみてください。
【クラス編成】
・自閉症、ダウン症の児童が多く、普通学級、自閉症学級に分かれる。
・知的障害1つだけの障害をもつ子供は少なく、視覚と知的障害、聴覚と知的障害,身体障害と知的障害というように重複した障害をもつ子供がいる。
・障害が重い子供は重複学級というクラス(児童3名に月教員2名)になることが多い。
・子供一人一人の実態が違うため、集団での行動や活動が難しく、それぞれの支援が常に必要。
【コミュニケーション】
大まかに2パターンあります。
会話ができる子供
・大人や友達との会話が成り立つ➡まれ
・大人の質問にイエス・ノーで答えることができる
・もぐもぐ、ザーザーといった喃語やオノマトペなら話すことができる
・簡単な言葉掛けや指示が通る
大人と会話ができる子供はとても少ないです。また大人と会話できても、子供同士で話すことは難しいことが多いです。
会話ができない子供
・単語ならなんとか話せるが、会話が成り立たない
・あー、うーと言ったように声は出すが言葉にならない
・言葉と発する言葉が合わない
・こちらの言葉掛けに反応できない
・意思疎通が難しいまたはできない
言葉が出ない子供たちの担任になった場合、クラスがシーンとなってしまうことが多々あります。
Q会話ができない子供とあなたはどうやって意思疎通を図りますか。
【排せつ】
大まかに3つのタイプがあります
一人でできる子供
・トイレに行きたくなったら自分で行きたいと言える
・トイレに自分で行き、自分で用を足す➡まれ
一人でできるが少し支援が必要
・トイレに行く時間になったら、言葉掛けが必要
・ズボンを上げたり下ろしたりすることが難しい
・大便の拭き取りが難しい
排せつが一人でできるといっても、上記のようにいくつかのパターンがあります。
排せつが一人ではできない子供
・催しても伝えることができない
・トイレで排せつができない
・トイレを我慢できずパンツにしてしまう
・おむつを常時つけている
重複の学級の担当になると、ほとんどが排せつ面での支援が必要です。おもらしやパンツに大便をしてしまう子供もいます。授業中や給食中などでも起こりえます。
Q毎日排せつの処理をすることに抵抗はないですか。
【食事】
大まかに2つのタイプがあります。
一人で食べられる子供
・配膳されたものを一人で箸やスプーンなどを使って食べることができる➡まれ
・配膳されたものを小分けにして一人で食べることができる
・一人で食べられるが、周りにこぼしてしまう。
一人で食べられる子供は本当に少ないです。また箸を使って食べられても持ち方や使い方に支援が必要な子供がたくさんいます。
介助がないと食べることができない子供
・少しずつ食べさせてあげる
・机上に食べ物を置けない➡投げ飛ばしてしまうため
・好き嫌いが激しい➡全く口にしない児童もいる
・咀しゃくが不十分で、よだれをたらす
・無理に食べさせると嘔吐してしまう
じっとしていられない子供は、給食を食べさせるのに一苦労です。机に食具を置くだけで落としてしまったり、スプーンやフォークを投げたりして危険です。また食わず嫌いが多く、食べさせても口から出してしまうことがあります。そのためほとんどの子供たちが食材をはさみで刻んで食べやすくしてあげます。教員は、子供が食べている合間をぬって給食を食べることになります。
Q食事をすばやくとることはできますか。
【行動】
大きく分けて2つのタイプがあります。
じっとすることができる子供
・椅子に座って待つことができる
・目安があれば待つことができる
・静かに待つことができる
じっとすることが苦手な子供
・椅子に座って待つことができない➡すぐ立ち歩く
・じっとしていることが苦手➡うろうろする
・静かに待つことが苦手➡自傷や他害がでる
自傷や他害というのは、自分で自分を傷つけることを自傷、人を傷つけることを他害といいます。
知的障害のある子供たちは、とにかくじっとしていることが苦手です。また大きな声や音に反応し、奇声をあげたり走り回ったりする子供もいます。一番大変なのは、子供たちにけがをさせないことです。友達の髪をひっぱったり叩いたりすることは頻繁に起こります。これは教員に対しても起こり、教員がけがをすることもあります。そのため常に子供たちから目を離すことができません。従ってトイレもなかなか行くことができません。
Q体力に自信はありますか。
【着替え】
大まかに分けて2パターンあります。
できる子供
・自分ですべてできる➡まれ
・衣類の裏表がわかる
・ボタンやチャックなどは支援が必要だがおおむねできる
・自分で着たり脱いだりしたものをたたむことができる
できない子供
・自分で着たり脱いだりすることができない
・衣類の裏表がわからない
・どうやって衣類を着たらよいかわからない
・自分の衣類を表に返したりたたんだりすることができない
ほとんどの子供たちが何かしらの支援が必要です。大人が全部してあげるのではなく、できることは自分でさせながらも見守ることが必要です。
Q着替えには手順があることを知っていますか。
特別支援学校で働くメリット
自分なんかが特別支援学校で働いてもいいの?と悩んでいる方向けに、自分が向いてるか向いてないか作ってみました。
メリット1:臨時採用教員の雇用が続くことが多い
次の臨時採用教員の仕事がない!と心配されるなら、特別支援学校の教員を試す価値あります!特別支援学校は都道府県の管轄になるので、採用話は教育委員会からくる前に学校内(校長や教員の勧め)が優先されて決まることが多いのです!そういう点では、臨時採用教員として働く場合次の職場が決まりやすく延長も多いので、働きやすい環境ではないでしょうか。
メリット2:一クラス多くて6名までなので、仕事分担が少ない
一般の学校だと担任になってしまうと何十名もの指導が必要です。しかし特別支援だったら多くて6名。書類の数からしたら激減です。
メリット3:給食が豪華
一般小学校より給食費が若干高いのですが、500円は超えまぜん。(自分のところは一食399円でした)デザートも頻繁に出て、しかも手作りのものが多く栄養価もチェックされていますから安心していただけます。
メリット4:定時で帰ることができる
職場の雰囲気にもよりますが、学校が今定時で帰ることを推奨しているので、気兼ねなく帰ることができます。また仕事が残っていてもパソコンを家に持ち帰ることができるので、学校で仕事がしたくなかったら家ですることが可能です。勤務時間が終わる17時には生徒も帰るので、自分もその時間に帰ることができます。
メリット5:ほぼカレンダー通りに休みがとれる
高等部所属になると部活などの活動があるときがありますが、小学部に関してはカレンダー通りです。土日に行事が入っても必ず代休がとれます。しかも東京都に限っては都民の日や学校創立記念日は生徒は休みなので、授業はありません。残念ながら教職員は出勤日ですが、子供がこないので年休を取る職員がほとんどです。
どの教員になってもそれなりのよさと大変さがあります。まずは挑戦してみて決めてからも遅くありません。迷っているならトライしてみませんか。
★新しい教員免許に挑戦してみませんか
★手話は聴覚障害だけでなく知的障害の仕事でもとても役に立ちます。人気ドラマでも映ってましたポケットサイズのこの本はとても分かりやすい本です。
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