身体や心がきつくてつらいとき、無理して仕事をすると間違いなく鬱になります。
職場に信頼できる同僚や管理職がいれば、どんなにつらくてもやっていけるものですが、相談できる人がだれもいないと、どうしても心が沈んでしまいます。
そんなとき、どうしたらよいのかを私の経験を踏まえてお話したいと思います。
こんな症状がでていませんか
疲れがとれない
眠りたいのに眠れない
眠りが浅い すぐ目が覚めてしまう
食欲がなくなる または 食欲が増す
気が付くと学校のことばかり考えている
誰とも話したくない
人と話すと涙が出てくる
人の話が頭に入ってこない
学校に行くのが憂鬱になる
休みたい
こんな気持ちになった場合は、間違いなく心が疲れています。
心療内科を受診しよう
心療内科を受診するタイミング
あなたは上の質問で、いくつ思い当たるところがありますか。上から下の内容に向かうにつれ、心がかなり疲れています。
体調がすぐれないときは、まず内科を受診しましょう。疲労回復の薬くらいなら出してもらえます。でも人と話したくない、涙が出てくる、休みたいなど、明らかに心が疲れているときは重症です。迷わず診療内科を受診しましょう。
心療内科というと、「鬱」「精神病」とマイナスなイメージをもち、人に相談しにくいですよね。
通うなんて言ったら、同僚から白い目で見られるのでは・・と思ってなかなか足を踏み入れることができないものです。本当に信頼できる同僚がいるならば、話してみるのもよいですが、自分一人で決められないときは、家族や友達に相談してみましょう。
心療内科の探し方
心療内科はとても混んでいます。今すぐ行きたい!と思っても受け入れてもらえません。それだけ心の病の人が多いってことですね。そこで受診するための手順をお知らせします。(私は次のように探しました)
①近所の診療内科を探します。
心療内科の評判なんてわかりませんよね。私はネットでホームページや口コミとかを見て探しました。動くのもおっくうになっている時期。自宅から近くにしました。
②ここに行く!と決めたら勇気をもって電話を掛けます。
電話を掛けると、受付の方が優しく話しかけてくれるはずです。相手が電話に出たら「そちらを受診したいのですが」と伝え「できるだけ早く受診したいのですが」と言いましょう。
内科や整形外科のように「どうされましたか」とは聞いてこないと思います。心療内科を受診する人は皆心の病ですからね。もし聞いてきたら素直に「精神的に疲れているようなので、受診したいのですが」と伝えればよいのです。
③すると、病院で空きがある日にちと時間を教えてくれます。
④おそらく今日明日ということは無理だと思うので、予約を取りましょう。
⑤もし、心療内科に行くまでに間があって、学校に勤務することが難しい場合は、迷わず年休をとり身体を休ませましょう。
“自分が休むと迷惑がかかる”と、学校のことを気にして休まないでいると、心の病はますます悪化します。体調が悪くなるたびにちょこちょこ休みをとると、もっと迷惑をかけます。そうなったら思い切って病気休暇をとりましょう。
心療内科はどんなことをするの
いざ心療内科に行くことを決めたけど、受診ではどんなことをするのか分からないから不安になりますよね。私もドキドキでした。
初診はとても丁寧に話を聞いてくれます。基本的にはこちらの話をじっくり聞いてくれ、批判的な発言はありません。
自分の場合ですが…参考になれば嬉しいです。
Dr.と二人きりになると、緊張Max。あれもこれも話したい…でもそれを話すと甘えと思われてしまうのではないかと不安が増し、何から話せばよいか分からなくなり、ついに涙が出てきました。でもDr.が、一つひとつ丁寧に質問してくれるので、それに答えたりうなずいたりするだけで、話を上手に進めてくれました。話していくうちに、緊張もそこそこほぐれて、言いたいことはすべて言えました。
それらの話を聞いて、Dr.から「少し休みましょうか」と言ってくれました。環境が変わったことのストレスと共に仕事や人間関係でうまくいかず、鬱状態になっていたそうです。
「どれくらい休んだらいいですか」
とDr.に尋ねると、ありがたいことに
「自分が休みたいだけ言っていいですよ」
と言ってくれました。でも実際どれくらい休んだらこの症状が緩和するのか自分でもわからなかったので、悩んでいると
「また元の場所に戻るなら1か月だけでは難しいですね。思い切って3か月身体をやすめませんか」と言ってくれたので、素直に
「はい」と答え、その場で3カ月の休暇が必要との診断書を書いてもらいました。
病院によっては、そのときに書いてもらえないところもあるようなので、日にちがあいてしまうようなら、無理して仕事をせず、年休を使ってその間は休みをとりましょう。
もし、Dr.から休みのことを言ってもらえない場合は、「少し休みたいのですが」と自分から休みたいことを伝えてみてください。お医者さんもプロです。休んだ方がよいか、ずるをして休みたいのかくらい話を聞いてわかるはずです。そして、自分では何か月休んだらよいか分からないときは、Dr.に尋ねたてみたらいいです。
薬をもらって(安定剤)2週間後また受診の予約をとりました。
2週間というのは、薬が合うか合わないか飲んでみて、様子を見るためです。
診断がくだると、おそらく薬が出ると思います。それが無くなるころに受診を勧められます。
鬱になると、出かけるのはとてもしんどいのですが、2回目からは、1回目よりも診断時間が短いので、できるだけ受診するようにしましょう。
2回目の受診では、Dr.に
「どうですか。休めていますか。薬を飲んでどうでしたか」など状況を聞かれます。
それらの質問に素直に答えればいいだけです。
もし一人で行くのに勇気がいるようでしたら、家族と一緒に行ってもらうのもよいかと思います。
病気休暇の取り方
病気休暇申請の仕方
診断書を病院で出してもらったら、それを学校に届けるだけで、病気休暇が取得できます。書類などの手続きはないところがほとんどです。(地域によって簡単な申請書があります。)
診断書は自分で届けなくても大丈夫です。学校に行きたくないのに無理して届ける必要はありません。代理の人が届けて問題ありません。(私は姉に届けてもらいました。)
診断書に書かれている日にちから休暇が始まります。病気休暇は自分側の権利なので、「休みます」と診断書を出せば、管理職から「だめです」と言われることはありませんので、安心して休暇を過ごしてください。
病気休暇の過ごし方
基本的に病気休暇に入ったら、自分から勤務先に経過を連絡をする必要はないです。休暇中の連絡はそれぞれの学校判断なので、「〇週間に1回は連絡をください」とお願いされる場合もあれば、全く連絡をよこさない学校もあります。また突然電話がかかってきて様子を聞いてくることもあります。
基本的に休暇なので、きっちり連絡をする必要はなく、もし自分が何か心配なことがあったら電話をかけるようにするとよいでしょう。また心療内科に通院していることの報告を学校にする必要もありません。また話すのが辛いときには、メールでも大丈夫です。その際は「しばらくはメールで連絡をしたい」ということをきちんと伝えておきましょう。
病気休暇をとっているからといって、家に引きこもらなくても大丈夫です。日常に必要な買い物や静養のための外出は許されています。さらに旅行も大丈夫です。(一泊二日の温泉旅行などもOK)
ただ、娯楽のような長期の旅行…例えば、沖縄旅行、海外旅行といったように明らかに静養とはかけ離れているような旅行は、ダメです。
一人暮らしをしていて、田舎の実家にしばらく戻るという場合は、OKが出やすいです。
ただし自宅から離れて旅行に行く場合は、学校に確認をとる必要があります。自分の居場所は分かるようにしておきましょう。
病気休暇が1カ月以上になると、事務の方から毎月教員に配られる互助会からの冊子や、給与明細が自宅に郵送されてきます。余裕があれば「届きました」の連絡をすれば丁寧ですが、まだ話ができない状況ならば、そのまま連絡しなくても大丈夫です。
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病気休暇を継続するか、終わらせるか
心の病の場合は3カ月で直ることは難しいので、初めの診断で3か月の休暇という診断書を病院が出してくれるとは思うのですが、もし病気休暇を1カ月ずつ取得していた場合、経過が良くなっていれば、1カ月後は当然復職しなければなりません。しかしまだ休息が必要ならば、引き続き残っている日数を取得することができます。しかしその場合再び医師の診断書の提出が必要です。
病気休暇が終わり近くになると、管理職から様子をうかがう連絡が入ります。この連絡は休暇後はどうするか(復職するか、休職をするか)ということを聞くための電話です。この電話も管理職次第なのですが、病気休暇に入ったばかりで、容赦なく休暇後はどうするかを聞いてくる場合もあります。
こっちは病気で休んでいるのに、3カ月後どうなっているかなんてすぐには考える余裕はないのにと思いますが、管理職にしてみれば、自分の抜けた穴をどう埋めようか(臨時採用をとるか、学校内でやりくりするか)を早く考えたいのでしょうね。
同じ場所に復職ができそうならば問題ないのですが、少しでも抵抗があるようならば、配置転換とか職務軽減のお願いをしてみてはいかがでしょうか。
復職の場合、病気休暇が終わる2週間前くらいから復職に向けての身体ならしの勤務が始まります。休暇中の勤務なので、フルタイム出勤ということはありません。
復職できた場合、また体調が悪くなれば、病気休暇をとることができます。その場合、通算されますが、病気休暇にはクーリング制度というものが設けられています。復帰後20日以上出勤できていれば、またリセットされて90日からスタートできます。(ただし、自治体によってはこの制度を取り入れていないところもあるので、確認が必要です。)
病気休暇は最長で90日しかとれません。それまでに復職が難しい場合は、病気休職を申請することになります。病気休職は病気休暇と違う扱いなので、また次回詳しくご説明します。
病気休暇取得の注意点
上記でも述べましたが、病気休暇は3カ月取得できます。一度に3カ月出してもらうこともできますが、ひとまず1か月ということになれば、1カ月後には復帰しなければなりません。しかし復帰がまだ難しいようだったら、また診断書をもらいに診療内科に行き、管理職に提出する必要があります。
①病気休暇は3カ月と大まかに言っていますが、実際は90日です。その90日は土日も含みます。
従って例えば9月1日から病気休暇をとったら、11月30日までではなく、11月29日までの90日です。
病気を治す休暇なので、土日や祝日は関係ありませんよね。
②休暇中の給与は今まで通りありますが、そこから通勤手当は返金しなければなりません。事務担当の方から病気休暇が終わるころ知らせがくるはずです。6カ月定期を購入している人は、病気休暇分の金額を返金します。返金の仕方は(事務の方から伝えられると思いますが、)基本的には現金で返します。引き落としはされません。直接手渡すか、郵送の場合は現金書留で送ります。
③給食のストップも忘れずに。心が病んでいる時にそこまで考える余裕がありませんが、休暇をとって少し落ち着き、尋ねる力があったら、聞いてみるとよいかと思います。普通は管理職が気が付いてストップをかけてくれますが。
給食はほとんどの学校が休んでからすぐにはストップはできないと思います。(業者に注文を出してしまっているため)私の学校の場合は2週間前に言わないといけなかったので、2週間分の給食費は支払うことになりました。
また、給食費は退職する場合は別ですが、休暇や休職する場合は、学期末まで引き落とされて3月に清算されることが多いです。
④有給休暇が繰り越されない場合がある
病気休暇の取り方で出勤日数が1年間の80%未満になってしまうと、有休が繰り越されません。(地域によって有休の締めが違うので)来年度または再来年度は20日からスタートです。
⑤病気休暇中のボーナスは、休暇の日にち次第では減額されたり出なかったりする場合があります。また休んだ日数に応じて勤勉手当は減額されます。6月1日、12月1日の基準日に在職しているかで判断されるので、休職して初めての賞与は、過去半年に仕事をしているのであれば、その分支払われますが、基準日に在職していなければ支給されません。勤勉手当は仕事頑張ったね…という手当てなので、お休みしている人が出ないのは当たり前ですね。
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まとめ
悩んでいたら、自分の悩みや愚痴を言える同僚や家族に話を聞いてもらいましょう。
もし身体がしんどくなったら、まず年休とって身体を休ませてみましょう。
それでも回復せず、不調が出てきたら心の病かもしれません。勇気を出して心療内科を受診しましょう。Dr.にいろいろ相談して、少し学校という環境から離れたいと思ったら、病気休暇の診断書をもらいましょう。
病気休暇は診断書さえあれば、堂々と休むことができます。最長で90日とることができます。
病気休暇を取ると学年に迷惑をかけてしまい、とても落ち込んでしまいます。しかし病気休暇となると学校は講師を申請できるので、教員の数を確保できるのです。自分が休んで迷惑をかけたと深刻に考える必要はありません。もちろん新しい教員に1から教えなくてはならないという大変さはありますが、年休で休みを取り続けると、周りの教員で回さなくてはならないので、その場合よりはるかに迷惑をかけません。そこは割り切って自分の回復に力を注ぎましょう。
病気休暇の間に回復の兆しが見られない場合は、引き続き休むことができる制度があります。それは病気休職です。そのことについては、また次回に詳しく説明します。
もし心が疲れていたら、一度休暇をとってみてはいかがですか。
追伸:私は病気休暇中の管理職との会話は録音し、メールもすべてとってあります。後で、”言った言わない”のことがおこらないようするためです。皆さまも会話の録音、メールなどは残しておくことをお勧め致します。
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