臨時採用教員ってどうやって採用されるのでしょうか。
今回は臨時採用教員をやってみたい方や始めたばかりの方など、これから続けていく上で、疑問に思われているだろうことを自分の経験を基に書いてみました。都道府県・自治体によって、採用の仕方・流れに違いはありますが、一例として参考にしていただければと思います。
注意!!
そもそも臨時採用教員は、常勤(1日中、正規採用職員と同じ仕事をする)・非常勤(時間講師)と雇用の仕方がいろいろあります。また常勤でも、呼び方が「期限付き教員」とか、「常勤講師」とか地域によって様々です。ここでは、常勤の教員を臨時採用教員として表記します。
臨時採用教員数ってどう決めるの?
臨時採用教員が配置されるには、まず正規採用教員が決まらないと雇用が発生しないことはお分かりですよね。
学校によってやり方はまちまちですが、正規採用教員は2学期ごろになると、自己申告書というのを記入し、異動の有無を管理職に提出します。その書類に従って校長または副校長(教頭)と面談をし、来年度の異動や休職、産休の有無を確認し教育委員会に伝えます。それと同時に、管理職は児童生徒の在籍数、転出入も教育委員会に報告します。
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来年度のクラス数が決まると、異動しない教員、異動してくる教員、新採の数を調整します。2月下旬には異動する職員に内示を出す場合が多いので、それまでに不足している教員の数を算出し、そこに臨時採用教員が充てられます。
臨時採用教員の常勤って、どういう雇用があるの?
臨時採用教員として働くにあたっては、次のような雇用形態があります。
パターン1
来年度の正規職員の動静が決まると、クラス数に応じた教員の配属が決まります。ここでやっと臨時採用教員の出番です!産前産後休暇(産休)や育児休暇(育休)、病気休暇(病休)などの職員に対して臨時採用教員の調整が入ります。また児童生徒数が非常に大切です。4月1日以降、転入生が来る予定で、クラスの数が増えることがあります。そんな時は、臨時採用教員が充てられます。この場合の雇用形態は「欠員補充」といって、1年間(更新は半年ずつですが)雇用されます。
注意!!
欠員補充は雇用期間が約1年と長く、一度確定してしまえば、ひとまず来年まで働き口を探さなくてよいので嬉しい雇用なのですが、これも少し怖いところがあり、4月8日までとか5月1日までに児童生徒が減ると(自治体によって期限は違います)クラス数が減ることもあり、せっかく決まっていた雇用がなくなることがあります。そうなると無職になってしまうのです。現実はとてもシビアです😭
反対に、4月に雇用されなくても、児童生徒数の数が5月などの確定期限までに一人増え、1学級作れるといったような場合は、クラス数が増えるので、その場合は急きょ臨時採用教員が欠員補充という形で(5月から来年度3月まで)採用されることがあります。
パターン2
来年度、正規採用教員で産休に入る予定がすでに決まっている教員は、出産予定日8週前から産後8週の約16週間産休を取れるので、その期間に臨時採用教員が充てられます。雇用形態は「産休代替」と言います。雇用期日は、産休を取る教員の日にちからになります。
注意!!
産休教員に体調の変化があった場合、正規採用教員の復帰されることがあるので、採用が取り消されることがあります。また早産の場合は、任期が早め始まり、最初に伝えられた期間より早く終わることがあります。
パターン3
さらに来年度、育休を取得する予定がすでに決まっている教員は、生まれた子供が3歳になるまで取得できるので、その期間に臨時採用職員が「育休代替」として充てられます。
注意!!
育休は産休を取った教員が引き続き取る場合が多いですが、取らない教員もいます。また、自分が産休代替になったからと言って、引き続き育休代替になるとは限りません。
しかし!
最近は出産した教員だけでなく、男性教員も育休をとることが多くなったため、臨時採用教員雇用の枠が広がりました。
パターン4
最後に「病休」という代替があります。今学期病気や怪我で休でいた正規採用教員が、来年度も引き続き病休に入ることが決まっている場合に、臨時採用教員が充てられます。
この病休は、今年度病休代替に入った臨時採用教員が、来年度も引き続き雇用されることが多いのですが、その臨時採用教員が採用試験に受かっていたり、都合がつかなかったりした場合は、新しい臨時採用教員に代わることがあります。
注意!!
病休は、正規採用教員の代替期間が10日以上ある場合に臨時採用教員が充てられます。その雇用期間は正規採用教員が提出した医師の診断書によって決まるため、怪我や病気の状況で、臨時採用教員の代替期間がまちまちです。最長で90日です。
しかし!
正規採用教員が病気休暇中でも病気が完治しない場合、引き続き休む場合があります。ここからは休暇ではなく、「病気休職」といいます。
※病気休職について知りたい方はこちらを参照👉教員の病気休職 …手続きから流れまで徹底解説!
この病休も、産休代替と同じように、今年度病休代替に入った臨時採用教員が、来年度も引き続き雇用されることが多いのですが、その臨時採用教員が採用試験に受かっていたり、都合がつかなかったりした場合は、新しい臨時採用教員に代わることがあります。
その他
正規採用教員の休暇はその他、介護休暇、介護休職というのもあるので、その名目で臨時採用されることもあります。
同じ学校に引き続き働くことができるの?
答えは○。一度学校に勤めると、引き続き同じ学校で働くことはあります。しかし、それは、働いている学校に空きがあることが前提です。
来年度も同じ学校に空きがあれば、引き続き働けることがありますが、空きがなければ、違う学校に異動、もしくは無職です。
引き続き働ける雇用形態で一番多いのは、産休で採用された方です。産休を取得している教員はそのまま育休をとることが多いので、同じ臨時採用教員が雇用されることが多いのです。(病休の教員の場合も同じようなことが言えます。)
自分の代替期間終了後、同じ学校で産休や育休、病休など何かしらの空きの出る予定の教員が決まっていたら、自分が受けている人から違う人のまた代替として同じ学校で働くことも可能です。
注意!!
同じ学校に引き続き働けるからといって、安心してはいけません。例えば一度欠員補充で働いたからと言って、次も欠員補充で採用とは限らないからです。産休になったり病休になったりすることがあります。また常勤講師の枠がなく非常勤講師の枠しかない場合もあります。
このように引き続き働けるからといって、よいことばかりではありません。もし常勤が良い!という場合には、断って違うところを探しても問題ありません。
ちなみに
県立学校で、10年も同じ学校に勤めていた臨時採用教員がいます。(正規採用教員ですら6年で異動するように肩をたたかれるのにすごいですね。)知らない人がくるよりも、学校に慣れた人にいてもらいたいということなのでしょうか。自分も県立の特別支援学校で3年間同じ学校に勤めることができました。
一方、市町村の学校では、同じ学校には2年までとか3年までとの縛りがあります。
長く同じ学校で働きたい方は、県立の学校(特別支援学校など)がお勧めです。
指導が下手だと、もう臨時採用の話はこない?
そんなことはありません。初めて教員をやる人は失敗はつきもの。失敗から色々と学んでください。一度学校に勤めると、指導がうまいなあと思う人が必ずいます。そういう教員の真似をして、自分のスキルを身に付けていってください。
空きがあった上で、教員や管理職の心証がよければ、また働いてもらいたいと思うのは当然です。今働いている学校で空きがあれば、引き続きできる場合も有りますし、なかったら次の学校を紹介してくれることもあります。なので、周りの教員とうまく付き合っていくことは大切です。
だからと言って人の嫌がる仕事を無理に引き受けたり遅くまで残業したりしてはいけません。臨時採用教員は自分の身体が第一だからです。
そもそも臨時職員が怪我をしたり病気になったりしたら基本的には退職です。ですから無理な仕事は勇気をもって断ることも大切です。でも…なかなか断る勇気がでないのが現実😢
実際、臨時採用教員の話がくるかこないかは・・・
管理職次第なのです。
臨時採用教員を大切に思ってくれている管理職のいる学校では、次の学校を親身になって探してくれます。が!代替としか考えていない管理職は期間が終わるとバイバイ✋とあっさり雇用を切る学校もあります。さらに、教育委員会に強い管理職だと、気に入った臨時採用教員を伝えて残してもらうことはありますし、気に入らないと、期限がきたということでさようなら‥という例はざらにあります。
しかし!!
今の時代、臨時採用教員のなりてが不足しています。一度雇用を切ってしまうと、管理職は次の人を決めるのに手間と時間を要するので、手っ取り早く、自分が勤めている学校の臨時採用教員に、引き続きやる気があるかないかを確認し、やる気があればすぐに決めてくれる管理職が多くなってきています。
ちなみにこんな人がいました…
特別支援学校で欠員補充で入った臨時採用教員が、合同授業中に居眠りをしていたり、書類の提出期限を守れなかったりした人がいました。その方は次も同じ学校でと管理職にアピールしていましたが、次の更新もなく、紹介もありませんでした。なぜだか分かりますよね。
社会人としてのマナーを守り、自分の仕事はちゃんとこなすことが一番大切!
採用の電話が、教育委員会以外からくることはあるの?
あります。小・中学校は市町村管轄のため、市町村の教育委員会から連絡きます。一方高等学校・特別支援学校は都道府県管轄がほとんどなので、都道府県の教育委員会だけでなく、学校長または副校長から直接依頼の電話がきます。
これも地域によって違いがあるかもしれません。自分は市の小学校と県立の特別支援学校での臨時採用教員の経験がありますが、小学校で働いていた時は、市の教育委員会から、県立で働いていた時は、教育委員会ではなく、県立の学校長や副校長から直接依頼がありました。
ちなみに
実際に自分が都立の学校で正規採用教員として働いていたとき、学校長や副校長が、教育委員会から登録者を教えてもらったり、正規採用教員から、身近に臨時採用教員をしたい人がいないかを教えてもらったりして、直接職員室からばんばん電話をかけて、臨時採用教員をさがしているのを見ています。
臨時採用教員を途切れさせないにはどうしたらいいの?
それは、とても難しい話です。あくまでも臨時なので、雇用期間が決まっています。ですので、当たり前のことですが、途切れさせない・続けるためには絶対に登録を忘れずに。毎年登録が必要です。市町村と県立2つに登録しておくと、採用の場が広がり安心です。
また、知り合いの教員に連絡して、学校の様子(空きがでそうか)をうかがっておくのも大切です。その際、空きが出たらすぐ連絡してもらうようにしておくとよいでしょう。やる気のある人は、そういった知らせがくると、積極的にその学校の管理職に電話をかけてアピールしている人もいます。
一度採用されてしまえば、次の雇用の機会を与えられる可能性が高いです。なので、周りの人にも自分がこのままやり続けたい意思があることを常日頃から話しておくとよいでしょう。
もちろん、今自分が勤務している学校長や副校長にもお願いにあがることも有効です。
自分の経験から言うと、臨時採用教員の新人を雇うと、1から教えなければならないうえ、雇用期間も限られているので、本採用教員もしんどいところがあります。ですから臨時採用の経験年数がある人の方が、即戦力の要員として採用されることも多いです。
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臨時採用教員だけをしている人はいるの?
います。ずっと臨時採用教員をやっていく!と割り切ってやっている人がいます。ただし、そういう方は夫婦で生活が成り立っている人や、以前正規採用教員として働いたことがある人、年齢制限で採用試験を受けられない人などです。やはり臨時採用教員で生計を立てていくのは危険です。なんといっても期限付きで先が見えません。また、正規採用教員より立派な人がたくさんいますが、実際は、臨時採用教員を下に見る教員も多くいるのが現実です。精神的にきついことがたくさんあります。
臨時採用教員は一般職よりお給料や福利厚生の面でよいと思われがちですが、また、もし採用試験が受けられるような年齢でしたら、頑張って採用試験を受けて正規採用教員を目指しましょう。
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年齢で採用されたりされなかったりする?
それは、学校によって違います。その学校に必要だと思う人を採用します。例えば体力が必要な学校では、若い人が欲しいですし、中学校や高等学校では、必要とされる教科の免許をもっている教員なら、年齢より免許を持っているか持っていないかが優先されます。特別支援学校などは、年齢よりも経験のある人、障害者に携わってみたい人が多く採用されています。
実際は…
教員の給料は税金ですから、自治体としては、給料の安い若い人を雇いたいのが本音。しかし現場としては、新卒よりも経験のある人、自分と年齢が近い人を採用してほしいのが本音。
しかし現実はそううまくいきません。今は臨時採用教員が不足しているので、採用年齢が撤廃された県さえあります。即戦力(やる気さえあれば)になれば、年齢や経験など二の次!という感じです。
それでも採用年齢の優劣をつけるなら
60歳以上経験者<新卒<40~50代の経験者<25~30代の経験者
といった感じでしょうか。(経験者強し!)
これはあくまでも自分が臨時採用教員を見てきて、感じた結果です。
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まとめ
臨時採用教員を長く続けるには、精神力が必要になります。周りの目、期限付きといったように厳しい環境ですが、教育現場には絶対必要な存在でもあります。
今ではネットで、登録ができますので、やる気のある方は、自分のやってみたい都道府県の教育委員会から登録をしておきましょう。
頑張ってください!
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