今、教員が不足しているので、特別支援の免許状がなくても、特別支援学校で声が掛かることがあります。
「何もわからないし、何したらいいかわからないよ」と思ったあなた。
心配はいりません。どの教員も、初めは何にも分からないのです。(自分もそうでした。)
それより、職場に慣れることが大切です。そこから何が必要か、自分に向いているかが分かってきます。
素直に初めてだということを伝え、ベテランの先生方に指導を仰げばいいのです。研修会もバッチリありますから、そこから少しずつ身に付けていけば大丈夫です👌
まずチャレンジ!
前回お話しましたが、特別支援学校には5つの障害領域があります。
その障害によって、支援の仕方がちょっと違ってきます。どんな子供たちなのか、支援はどうしたらよいのかを簡単に説明します。
視覚に障害のある子供たちです。
・視力が全くない
・視力はあるけどほとんど見えない(弱視といいます)子どもがいます。
点字や白い杖(はくじょうと言います)を使っています。
【支援】何気なくポン!と置いた荷物でも、つまずいて恐怖心を植え付けてしまいます。歩く場所に物を置いたり、点字ブロックを歩いたりしないようにします。
聞こえに障害のある子供たちです。
そのままでは(裸耳:といいます)聞き取ることができません。
補聴器を付けたり、手話をしたりすることで、コミュニケーションをとることができます。
【支援】話す時は、大きな声で口元をしっかりと見せます。コロナ化で難しいですが、フェイスガードを使うなどして、口径が見える工夫をしましょう。
身体に障害のある子供たちです。
生まれつき脳や身体に障害がある子供たちや、事故などで手足が不自由になった子供たちがいます。
主に車いすで活動します。
【支援】車椅子の押し方やブレーキの仕方などを最初に覚えましょう。顔色や状態がいつもと違うときには、自分一人で考えず、他の教員に助けを求めましょう。
他人との意思疎通が困難で、日常生活を営むのに、援助が必要な子供たちです。
主にダウン症や自閉症などの子供たちがいます。
個人個人に合った支援計画で、自立を促します。
【支援】自分を傷つけたり、他人にけがを負わせないように気を付けましょう。またじっとしていることが苦手な子供たちが多いので、手をつながないと難しいときがあります。そういうときは、できれば腕をつかんで引っ張るのではなく、手をつないで誘導するようにします。
身体が弱い、心のメンタルが必要といった子供たちです。
病院に学校があることもあり、病院内での学校や、病室でベッドサイドでの授業を行ったりします。
【支援】病室での授業のときは、衛生面に気をつけ、子供の体調を見ながら学習していきます。多く教材を持ち込むことが難しいため、iPadなどが有効です。
また特別支援学校には、この5つの領域と共に障害が重複している(2つ以上)子供たちがいます。知的障害と身体不自由、知的障害と聴力障害、知的障害と視覚障害といったように、知的障害をもつお子さんが多く、より支援が必要なため、教員は2人態勢で組むことがほとんどです。臨時採用教員はそういった2人態勢のクラスに配属されることがほとんどです。
★病弱の子供たちとの教科学習の仕方やコミュニケーションのとりかた、配慮の仕方などのヒントが書かれている本です。支援の経験が少ない方に参考になる本です。↓
特別支援学校といっても、一般小学校と変わらない教科があります。
『準ずる教育』と言った学習過程のお子さんは、一般の小学校と変わらない教科(国語、社会、算数、理科、音楽、図画工作、家庭科、道徳など)で、同じ教科書を使います。
知的障害教育では、国語と算数が一緒になり、「国語・算数」として1教科になります。音楽、図画工作、体育、特別活動、道徳の教科があり授業内容は、教員が考えます。教科書は☆本(ほしぼん)というのがありますが、子供に応じた内容になるため、ほとんど使用しません。
特別支援学校には一般小学校にはない教科があります。
生活単元学習、社会性の学習、日常生活の指導、自立活動です。
簡単に説明すすると・・・
生活単元学習は、集団でのコミュニケーションや、自分の意志や判断によって行動ができるようにするための活動です。調理や買い物学習、校外歩行など学校独自で考えたカリキュラムがあります。
社会性の学習は、自閉症などでこだわりのある子供たち一人一人に、集団学習やゲームなどを通じてコミュニケーションのとり方などを学習していくものです。
日常生活の指導は、毎日の生活で繰り返し行われる活動(例えば、着替えや排せつなど)、日常の生活の流れに沿って働きかけることで、日常の生活が充実し高まることを意図した指導です。
自立活動は、特別支援学校で最も重要な教科で、障害をもった子供が将来伸び伸びと主体的に生きていくために、児童一人一人の実態に応じて内容が違う学習です。なので、自分が担当した子供によって活動内容が違います。最も分かりやすい例をいうと、自立のために聴覚障害の子供が手話の練習をしたり、視覚障害の子供が点字の練習をしたりすることなどです。また歩行に障害がある子供が歩行訓練をしたり、手先が不自由な場合は手指を使った作業をしたりします。
一般小学校には教科書があり、教員はそれを指導するための指導書にそって学習を進めることができますが、特別支援学校は教科書はほとんど使用しません。その分、教員が子供に合った内容の指導方法を考え、支援していかなくてはなりません。学習にはたくさんのアイディアと経験が必要になってきます。
★自閉症の子供たちの様子が分かりやすくイラストで表現されています。一度読んでみると、とても役立ちます。↓
自分が配属された部門によって、覚えておいたほうが有利なものがあります。
例えば・・・
聴覚障害教育部門では・・手話・指文字
視覚障害教育部門では・・点字
子供たちの健康管理のために・・検温、パルスオキシメーター(血液中の酸素量を測るものです。同時に心拍数も測ることができます。)の使い方 など
「いきなり、そんなこと無理!」
そうなんです。働く前から自分で取り組むのはとても難しいのです。
なので、これだけは!というものをおさえておきます。
注意点!指文字は相手が出したものを読み取ることも必要です。鏡を使って、自分で出したものをうつしながら、反対から見る練習をするとよいかと思います。
が!さすがに素人には、点字の紙をさすっても全くわかりません。
見て文字が読み取れるようになるのがやっとです。
ということで1から10までの点字、50音くらいを覚えておくとよいかと思います。
今は物や外出先で点字がついているものがあるので、それを読む練習をしておくのも1つの手です。
日々子供たちの健康管理をする必要があるので、パルスオキシメーターは読めるようにしておくことや、その数字がどの程度の健康状態なのかが分かるとよいかと思います。(コロナ化でパルスオキシメーターは有名になりましたね。)
臨時採用教員はいつ、どこの学校に採用されるかわかりません。そこで、少しでも専門知識があるととても採用に有利になります。もし手話や点字に興味がある方は、ちょっと覚えてみませんか。(完璧でなくても大丈夫ですよ)
「知識やスキルは、採用されてから取り組んでも大丈夫。少しでもできるようになったら、堂々と履歴書にアピールしましょう!」
~関連ブログ~
★通信教育で教員免許をとってみませんか。↓
★手話を学習してみませんか
★教材を紹介!
色がぬってあるページ。これは一体何?と思って次のページをめくると…何かがでてきます。子供と一緒に読んだり考えたりして楽しめる仕掛け絵本です。大きさは手のひらサイズのなので、個別の時間や自立活動の時間に役立ちます。全15冊ある中の2冊を紹介!
クリスマスのかくれんぼ (これなあに?かたぬきえほんスペシャル)
コメント