臨時採用教員~小学校と特別支援学校どっちの先生をやってみたい?

題名22

学校の先生になりたいと思っても、実際は自分の予想に反した一面があると思います。

今回は一般の小学校と知的障害をもつ特別支援学校の小学部との違い、良いところ、大変なところを比較していきます。

※下記に示す内容は一般例です。

それぞれの学校に通う児童の特徴

先生と児童

学校に通う子供たちを一般には生徒と呼びますが、小学校に通う子供たちは主に児童と呼ばれます。

  小学校 特別支援学校
児童の特徴

・基本的に健常者

・クラスによっては、ADHDや自閉症をもつ児童がいる。

※身体に障害がある児童が普通学校に通学を希望した場合は、断ることはできないため一般の学校にも障害をもつ児童は在籍しているのが現状。

・基本的に障害がある

・視覚、聴覚、知的、肢体不自由、病弱といった障害をもつ。   

 ※クラスによっては、視覚と知的障害、聴覚と知的障害、身体障害と知的障害というように重複した障害をもつ児童がい
る。

児童の行動

椅子に座って授業ができる

・一斉授業ができる。

・静かに待つことができる。

・集団に入れなかったり授業に集中できない児童がいたりする。


言葉で指示されたことを自分で行動に移すことができる

長い時間椅子に座って授業をしたり、一斉授業をしたりすることが難しい

・自傷行為(自分で自分を傷つける)や他害(他人を傷つける)のある児童、多動の児童がいる。

・静かに待つことが苦手。

・学年より知能レベルが低い子供が多い。

言葉で指示されても自分で行動することが難しい児童が多い。会話ができる児童が少ない。

教員の待遇

先生たち

小学校では、臨時採用教員は本採用教員と同じように担任をもつのがほとんどです。仕事内容も変わりません。本採用教員と差があるとするならば、月のお給料と休暇の日数の違いくらいです。

一方、特別支援学校では、臨時採用教員が担任を持つことは稀です。ただし特別支援学校の免許を持っている場合は、担任になることもあります。しかし本採用教員が主として担任になるので、副担任としての仕事が普通です。仕事内容は主担人と同じですが、児童などの書類が少し減ります。お給料は小学校に勤務するより手当がつく分若干高くなります。※都道府県によって、給与の支給名称や支給額は変わります。

  小学校 特別支援学校
担任

1クラス25名~40名弱を1人で受けもつ

・臨時採用教員でもクラス担任を受けもつ。

・特別支援学級に通級している児童がいる場合や、支援が必要な児童が在籍している場合、講師または介助員がクラスに入ることがある。


・1人担任の場合、障害に応じて3名~6名を受けもつ。※クラスの最高人数は6名まで。
・重複の障害を持つ児童や、行動の激しい児童がいる場合は、2人担任になる。

・臨時採用教員が主担任になることは稀で、2人担任の副担任になることが多い。


配属

・小学校の免許状があれば、臨時採用教員でも1年生から6年生、全学年に配属される。

・担任ではなく専科の教員(音楽や図工、理科など)として採用されることがある。

急きょ臨時採用教員が必要な場合、中・高の普通免許状があれば、小学校に配属されることがある
※その場合許臨時免許状を取得することになる。

・特別支援学級の担任になることは稀だが、特別支援学校の免許をもっていれば、特別支援学級の担当になることはありうる。






特別支援学校の免許状がなくても特別支援学校で臨時採用教員をすることができる

・1つの学校に小学部、中学部、高等学部がある場合、基本的には自分の主たる普通免許状で配属先が決まる。

・特別支援学校の免許状があれば、小・中・高等部、どの学部にも配属される。


・急きょ臨時採用教員が必要な場合、中高免許しかない教員が小学部に配属されることがある
※免許がない学部に配属された場合は臨時免許を取得することになる。





給与

・基本給の他に教員調整額(校長と副校長以外に本給の4%)が支給される。

・小学校や中学校の教員には義務教育手当(教員全員に給料の平均約3.8%)が支給される。


・これらが支給されるかわりに、残業代は出ない
・初任給は大学卒:平均20万から22万円
・短大卒:18万~20万円



・一般小学校より5,000~10,000円基本給が高い。

・給料の調整額(基本給の約6%)

・小・中学校に所属している場合、義務教育特別手当(教員全員に給料の平均約3.8%)がある。

・これらが支給される代わりに、残業代はでない

・初任給は大学卒:平均24万から25万円
・短大卒:平均22万から23万円

休日

土曜日に授業がある週がある。

・基本的に日曜日の出勤はない。
※創立記念日や都道府県民の日でも授業があるところが多く、出勤。
※土日に行事がある場合、必ず代休がある。






土曜日の授業はないので、土日の出勤はない。
※創立記念日や都道府県民の日は、教員は休みではないが、児童は登校しないため、年休を取って休むことができる。

※土日に行事がある場合、必ず代休がある。






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学校での日常生活

授業

地域の学校によって様々なやり方があります。一般小学校では、担当教科が多いので、一人の担任の授業数に応じて学校内で調整してくれるところもあります。基本的な日常生活を表示します。

  小学校 特別支援学校
授業

・1コマ45分授業

・小学校は全教科を受けもつため学習準備が複数で大変。ただし高学年になると図工専科や音楽専科がつく。

・合同授業は少なく、基本的に自分のクラスで授業を行う。

・教科書にそって授業を行う。教員用の指導書があるので、その内容に沿って指導を行うことができる。

テストで評価ができる

・1コマ45分授業だが、時間通りぴったりに始まることは少ない。

・毎日、自分のクラスで学習するほか、学年で学習する時間がある。

・日常生活の指導、自立活動といった独特の授業がある。

・教科書はあるが、ほとんど使わず、指導書もない。そのため自分たちで学習内容や指導方法を組み立てなくてはならない。

・担当教員が児童一人一人の個別指導計画をたて文章で評価する。テストでの評価はない

給食

・地方によっては、地元の名産が出ることがある。

・給食費は特別支援学校より安い分(平均300円台)、質素。(会社員の昼代に比べたら量や金額はずっと安いと感じる)

児童が配膳をすることができる。

・児童は給食を自分で食べられるので、教員は見守りながら食べることができる。

・自分の教室で食べるのが基本。

・大体の児童が時間内に給食を食べることができる。

・一般の学校に比べ豪華。その分給食費は若干高め。(一食平均400円前後)

・プリンやゼリーなどのデザートは基本手作り

教員が配膳をする。児童の実態に応じて具材を細かく切ったりつぶしたりする。

・自分で食べられる子供が少ないため、教員が食べさせながら自分も食べるので、余裕をもって食べることはできない。

・ランチルームがある学校もあり、教室で食べる場合もあれば、ランチルームに集まって食べる場合もある。

・一斉にごちそうさまをすることは難しい。

清掃 ・教室や特別教室、トイレなどクラスに決められた場所を児童が毎日行う

・教員も一緒に清掃するが、見守りでも大丈夫。

・児童が下校後、教員が自分の教室を清掃する。児童が行うことはほとんどない。

・自分のクラスの児童がおむつを使っている場合、おむつを指定の場所に捨てに行く。

・トイレ掃除などは週末業者が入って行ってくれるので教員がすることはほとんどない。

放課後

・曜日によって職員会議、研修があり。これらがあると、その後に書類整理(出席簿、テスト採点、児童の提出物のチェックなど)をすることになり、人数が多い分、終業時間に帰ることは難しい

・会議が無い日は書類整理や授業準備に時間を使うことができる。

・曜日によって職員会議、研修などがあり。高等部まである学校は、児童生徒が帰ったあとにあるため、会議設定時間が16時30分になるなど遅く始まり、終業時間に終わることが少ない。

・会議後の書類整理は難しく、残業になる可能性が高いが、クラスの人数が少ない分、残業時間の見通しがつきやすい

・放課後は次の日の授業準備、教室設定などをすることが多い。この時間にできない場合、朝早く出勤してする必要がある。



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まとめ


いかがでしょうか。一般小は自分が子供時代に経験している分、流れが想像しやすいかと思います。しかしいざ先生になってみると、子供時代に見ていた教員像とは、雲泥の差があります。事務仕事多すぎ!授業準備大変!保護者対応が難しい!などなど・・・しかもお給料は安い!

一方、特別支援学校は、1クラスの人数が少ない、授業の受け持ち数が少ない、給食がおいしいといったよさそうな面がありますが、実際は児童の人数が少なくても障害をもつ子供たちのため、体力が必要、学習内容は実態にあったものを自分で作らなくてはならない、給食の時間は児童を食べさせながら自分がすきを見て食べるといったようにゆっくり食べることなどできません。またその時間に排せつや嘔吐の対応をすることなどもよくあります。従って障害を持つ児童に接したことが少ない人にとって、少しためらいがあるかもしれません。しかしその分お給料が一般小学校より高いのは嬉しい!

両方経験できるのが臨時採用教員です。まずどちらにも登録してみてください。お願いの話がきて、その時どうしても迷ってしまったら、断っても大丈夫です。断ったからと言って次の採用の話がなくなるわけではありません。

一度挑戦してみて、もしそこでうまくいかなかったら違う道を探せばよいのです!

これらは地方によって違いがあるので、自分がトライしてみたい自治体があれば、そこのホームページで内容を確かめてから申請しましょう。



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