特別支援学校で働くために必要な免許の種類とその取り方

題名
 目 次 
    1. 教員として働くには、まず免許が必要
    2. 臨時採用で働くなら登録を忘れずに
    3. 特別支援学校で働くために必要なもの
    4. 特別支援学校の免許の種類を知ろう
    5. 特別支援学校の免許を取る方法
    6. 認定講習って?
    7. 免許なしの自分でも働けた事例
    8. まとめ

1.教員として働くには、まず免許が必要

学者

今では、専門性の知識や世間的に知名度が高い人であれば、特例として免許がなくても教員として採用されるようになりました。しかし採用試験を受けて正規採用教員として働くには、当たり前ですが教員免許が必要です。
そして、この免許さえ持っていれば、採用試験に受からなかったり受けなかったりしても、公立の学校で臨時採用教員として働くことができるのです。

また免許状には、1種と2種がありますが、採用には1種・2種も関係ありません。この違いが出てくるのは、採用されたときのお給料や、将来昇級試験を受ける時に出てきます。なので、採用されるときは全く問題ありません。どちらかの免許があれば、教員として働くことができます。

一般には自分が取得した免許状で、幼稚園や小学校、中学校、高等学校に勤めることになりますが、自分が持っている免許ではない学校に勤めることもできます。例えば中学校の免許だけを持っている人が、小学校で働くといった感じです。ただその場合、自分が「小学校で働きたい」と言っても働けません。採用する都道府県が必要な場合、臨時免許状というものを出してくれたときのみ働けるようになります。

 

2.臨時採用で働くなら登録を忘れずに

公立の学校には幼稚園、小学校、中学校、高等学校などの一般の学校の他に、特別支援学校があります。特別支援学校とは、障害をもった子供たちが通う学校です。(特別支援学校は、都道府県によって、特別支援学校、総合支援学校、〇〇学園と呼ばれることがあります。)特別支援学校も公立の学校なので、臨時採用教員として働くことが可能です。

主に幼稚園・小学校・中学校は市町村に属し、高等学校・特別支援学校は都道府県に属しています。そのため、臨時採用教員として働くには、市町村の登録と、都道府県の登録があります。特別支援学校を含めてすべて登録をするには、2カ所(市町村と都道府県)に登録を忘れずにしましょう。

登録場所は…
自分が臨時採用教員として働いてみたい都道府県の教育委員会のホームぺージを開くと、登録ページがあります。特別支援学校で働いてみたい場合は、高等学校の登録ページを開いてください。


3.特別支援学校で働くために必要なもの

特別支援学校に興味はあるけれど、免許を持ってないから無理!と思われた方、ご安心ください。

なぜ免許を持ってない人が働けるの?

それは、普通免許状があるからです。

普通免許状とは…幼稚園・小学校・中学校・高等学校 1種または2種の免許状をいいます。

特別支援学校で働く場合、初めから特別支援の免許を持っていなくても大丈夫なのです。現在働いている人の中には正規採用の人を含め特別支援学校教諭の免許を持っていない人がいます。

特別支援学校で働くための必要条件は、まず基礎となる普通免許状があることなのです。

ですから、教員免許状がありさえすれば、特別支援学校で働くことができるのです。ただし特別支援学校で今後働くならば、2・3年を目安として、特別支援学校の免許を取得するようにと教育委員会から指導されています。でもこれは、正規採用働く場合において強く言われていることであり、臨時採用教員として働くのであれば、関係ありません。ひとまず特別支援学校経験し、自分が働きたいと思ったら、免許を取得すればよいのです👌


4.特別支援学校の免許の種類を知ろう

一概に特別支援学校の免許は、普通免許のとり方と少し違います。
特別支援学校教諭の免許は 視覚障害 ・聴覚障害 ・肢体不自由 ・知的障害 ・病弱5領域からなり、その単位を修得していきます。その際一度に5領域の単位をとらなくても、免許状は取得できます。例えば知的障害の領域をとり、特別支援学校教諭(知的)の免許を申請できます。他の領域は、あとから領域追加として単位をとることができます。

👆自分は、知的・肢体不自由・病弱の単位を一度にとって、特別支援学校の免許を申請しました。

臨時採用で働く場合、特別支援学校の免許が無くても依頼がくることがありますが、免許があればより一層お願いの依頼がきやすくなります。さらに、5領域のどれかの免許を持っていれば、特別支援学校すべての学校からお話がくる可能性があります。



5.特別支援学校の免許を取る方法

普通免許状を取得した後や、特別支援学校で働いてみて「あ~また働いてみたいな」と思った方は、ぜひ特別支援学校教諭の免許取得を目指してください。その方法として3つあります。

1.大学に通いなおす
時間や金銭的に余裕のある人は、また大学に通って取得するのが一番早いです。が!
大学に通うのはまた入学しなおさなければならないので、精神的負担が大きいですね。

2.通信教育で取得する
通信教育では、働きながら免許が取得できるので、経済的心配はありません。大学の通信や放送大学で取得する人が多いです。しかし、働きながらなので、疲れていたり予定がくるったりして、思うように学習が進まず取得が伸びてしまう恐れがあるのがデメリットです。

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悩む女性

3.認定講習で取得する

これはどういうものなのでしょう?下記で詳しく説明します。



6.認定講習って?

教員として特別支援学校で働いていれば、各都道府県の教育委員会が、免許を持っていない教員のために、特別支援学校教諭二種免許状を取得するようにと、必要とされる最低単位数の全部又は一部を修得するための免許法認定講習というのを開設しています。それを受講すれば、免許がとれるようになっています。

これは正規教員でも臨時採用教員でも受けることができます😄

ただし、この認定講習を受けるには、教員としての経験年数が必要です。おおむね3年あると受講可能です。

Q認定講習はいつ頃あるの?
認定講習は、児童生徒のいない夏休みや、冬休みなどを利用して開設してくれています。一部土日を利用しているところもあります。

Qそのときに単位がとれなかったら?
一度に単位全部の単位を修得しなくても、来年度に持ち越すことができます。また万が一受講した単位がそのときに取得できなくても、また受講することができます。(もう一度申請は必要ですが。)

Qどうやって単位をとるの?
大学に通って単位を取ります。(コロナの関係でオンライン受講になる場合もあります)大体は1日で1教科の講義を受け、最後に試験を受けます。その試験の仕方は担当教授によってばらばらですが、ほとんどが記述です。テキストを見てよいのもあれば、暗記して行う試験もあります。一日中抗議を受けているので本当に疲れますが、その1日だけで単位を取れると思えば、頑張ることができるのではないでしょうか。寝ないで頑張れば、なんとか単位はとれますよ😂

Qどうやって大学を見つけるの?
単位を取ることのできる大学の案内が、4月ごろから順次「認定講習のお知らせ」といった形で学校の研修の掲示板に貼りだされたり、管理職からメールで案内がきたりします。その案内を見て、自分に必要な単位が取れる大学を選び、管理職に申請することで、受講できるようになります。各学校によって申請の仕方が違うと思いますので、必ず掲示板やメールのチェックを忘れないようにしましょう。

Q働いている学校がかわったら?
臨時採用教員は、単位を取り始めたときと勤め先が代わっても、臨時採用教員として公立学校で働いていれば、引き続き認定講習を受けることができます。これは特別支援学校でなくても大丈夫です。ただし先にも述べたように、働いていることが条件です。
また、同一県内のみ有効な場合があるので、違う県で臨時採用教員をする場合、その単位が引き継げるかの確認が必要ですので、管理職または教育委員会にお尋ねください。

Q受講料は?
大学や都道府県によって違います。大学に通ったり通信で取ったりするより安いです。私が取ったときは、1授業に対し6,000円くらいからでした。(単位制なので、自分が取る単位によって値段が変わってきます。特別支援学校教諭2種免許状をとるには、最低でも6単位が必要です。

Q免許状はいつくるの?
これも各都道府県によって違ってきます。すべての単位取得が終わったら教育委員会に申請書を提出します。書類が確認でき次第、教育委員会発行の免許状が学校を経由して届きます。

一度、自分の働いている都道府県の教育委員会のホームぺージで「認定講習」と検索してみてください。

☝自分は認定講習を利用して免許をとりました😁


7.免許なしの自分でも働けた事例

私の歴史初め

初めは養護学校、次は聾学校で働くことになった自分。(この頃は、まだ養護学校や聾学校、盲学校という障害別の学校が存在していました)もちろん、特別支援学校の免許など、もっていません。幼・小・中の2種普通免許状しかなかったので、小学校の臨時採用登録だけしておいたところ、教育委員会ではなく、最初は養護学校、次は盲学校の学校長から直接電話がきて、働くことになるのでした・・・

聾学校には、声を出せる子供たちが多かったのですが、聞こえに障害がある子供たちだったので、何を言っているのか、自分には聞き取れませんでした。なので、自分も簡単な手話や指文字、サインを覚えることにしました。😤

手話の本を買ったり、NHKの手話講座を見たりして覚えるのですが、いざ子供たちの前に出ると伝わらない!最終手段は、口を大きく開けて何をいっているのかはっきりとしゃべる!これが一番よく伝わりました🤣😅

子供たちは聞こえに問題があるだけだったので、自立活動という特別な学習の他には、一般の学校と同じように国語・算数・理科・社会(生活)体育・音楽などがあり、教科書も一般の小学校と同じものを使います。(準ずる教育といいます)

コミュニケーション手段を自分のものにするのには、時間がかかりましたが、やはり勤めていると自然に出てくるようになりました。(手話よりジェスチャーが多かったかな😂🤣)

笑い話ですが、勤め始めて数週間が立ったころ、「何で、手が痛いんだ?」と感じたことがあります。それは会話をしながら一生懸命手話をしてたので、筋肉痛になっていたようです😆

この聾学校では幼稚部、小学部と在籍し、聾学校の様子が分かってよかったです。

しかし…時は特別支援学校設立の時代に向かい・・・ついに自分が働いていた県も、聾学校・盲学校・養護学校が1つに統括され、特別支援学校として生まれ変わることになりました。

自分が勤務していた学校は廃校になり、そこの子供たちは、盲学校が総合支援学校になった場所に移ることになったのです。そして、自分も運よくそこに異動になりました。

・・・・・・・・・・・

特別支援学校は、障害があるということで、考えてしまう人がいることは確かです。自分もそうでした。でも臨時採用教員として声が掛かったのをきっかけに、養護学校、聾学校と働きだし、様々な障害のある子供たちと触れ合ううちに、どんどん子供たちの魅力に引き寄せられていきました。そして認定講習を使って免許を取る決心をしました。

次の学校で仕事をしながら、1年半かけて、「知的・肢体・病」の3つの領域で特別支援学校の免許をとりました。そして…昔は小学校の先生になりたかったのに、特別支援学校で働いたことがきっかけで、気持ちが変わり、最終的に特別支援学校枠で採用試験を受けました。

どこにきっかけがあるか分かりませんね😀
完璧でなくても大丈夫。特別支援学校で働きたいと思ったら、ぜひ挑戦してみてください😄

ちなみに手話や指文字、サインとは…

  • 手話…耳の聞こえない人にとって、手や指、体の動き、表情を使って,見てわかるように表現する言語。「目で見ることば」です。
  • 指文字…平仮名50音をすべて指で表現します。自分の名前や地名、企業名などの固有名詞を伝える時に使えます。手話表現が分からないとき、指文字で表現することで、相手に通じる場面が多くあります。
  • サイン…言葉や単語に簡単なジェスチャーをつけることで、コミュニケーションをはかるものです。

 

※指文字・手話・サインは聴覚障害だけでなく知的障害のある子供たちにも有効です。

 

8.まとめ

 

・特別支援学校で働くには、普通免許状が必要

・臨時採用教員として働きたい場合には、自分が働きたい都道府県のホームページから登録をする。 特別支援学校の登録は、小・中学校とは別に、県立学校の方にある。

・誘いが来たら迷わず受けてみましょう。最初は免許が無くても働くことができる

・特別支援学校の免許は、働きながら認定講習で取ることが可能。(経験年数が必要)

・特別支援学校の免許は5領域からなる。全部の領域で単位をとらなくても、免許が取得できる。(最低6単位)


「初めは免許が無くても大丈夫。きっかけが大切。一度特別支援学校を経験してみませんか。」







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特別支援学校って、どんな子供たちがいるの?

臨時採用教員が特別支援学校で働くために必要な最低限の知識



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